桜満 集は天王洲第一高校の2年生で、現代映像研究同好会に所属する17歳。世間や他人の顔色を常に窺い、人に嫌われるのを恐れ周囲の意見に流されるままに無難に過ごす日々を送ってきた。人と目を合わせるのが苦手で、精神的にもナイーブ。涯が個々人のヴォイドの能力及び形が「見える」ことを言い当てたり、谷尋の何気ない一言から彼がシュガーであることを見抜くなど鋭い一面も見せる。
GHQに追われる負傷したいのりと出会い、言葉を交わしたのも束の間、やって来たGHQにいのりを連行されてしまう。何もできなかったことへの悔しさ、何もされなかったという安心感がない交ぜになった自己嫌悪に陥るが、ふゅーねるを涯に届けることが自分が変われる最後のチャンスだと考え、涯や葬儀社の面々と出会う。同日深夜に発生した戦闘の最中、他者の胸部から結晶「ヴォイド」を引き出す〈王の能力〉を得たことで、涯が率いる葬儀社のレジスタンス活動に深く関わっていく。
いのりの言動に翻弄され、自身の立ち位置を決めかねていたが、城戸奪取作戦時に命令を無視して駆けつけた彼女を信じようと決める。その裏では嘘界から発信機を手渡されており、いのりを葬儀社から連れ出そうとも考えていた。葬儀社に入り、いのりの真意を聞いたことで拠り所を失うも、綾瀬の助言と模擬戦を通じて認められることで表情は明るくなる。ルーカサイト攻略において涯の心情を知り、守るための力を望んでからは、涯に信頼を置き〈王の能力〉を委ねるようになった。
〈王の能力〉を宿した時に数々の凄惨なフラッシュバックを見るが、そこで語りかけてきた少女と幼少の集が一緒に写った写真があるにもかかわらず、彼女のことはまったく覚えがない。
全てが終わった後は、右腕と視力を失い義手と白杖の生活となったが、数年後の祭の誕生パーティーには、かつての学園と葬儀社のメンバーと共に集まっている。また集にとっては、いのりはもはや「常にそばにいる存在」となっている。
集自身のヴォイドは「右腕」。失った右腕の代わりとなる結晶状の義手を取り出し装着する。能力を行使する際は水色の蛍光色のラインが浮かび上がる。取り出されたヴォイドにもそれが反映され、蛍光色の輪郭を持つ半透明なヴォイドとなる。また、その状態では通常時より能力がアップするようである。能力は「他人のヴォイドの一時格納」と「アポカリプスウィルスの分離・吸収」で、前者の能力は複数の格納が可能となるが、複数のヴォイドを同時使用は作品を見る限りでは不可能の様である。後者の能力により自分が受け皿となることでウィルス感染者からアポカリプスを完全に取り除くことができる。