『夢幻伝説 タカマガハラ』は、立川恵による日本の漫画作品。神代小学校5年1組に在籍する少女・若狭結姫は、登校途中に空から降ってきた赤い勾玉を拾った。それを持って鏡の前に立つと、鏡の中に見知らぬ女性の姿が映りだす。鏡の中の女性を幽霊だと思い怯える結姫だったが、怯えのあまり眠れぬ深夜に意を決して女性の話を聞くことにした。
女性は自らを、結姫たちが住むこの世界『中ツ国(ナカツクニ)』とは違う、もう一つの神の世界『高天原(タカマガハラ)』の者だと名乗り、結姫に世界の危機を告げる。彼女は『思兼神』という『高天原』の太陽を司る『天照』の側近。思兼神は『天照』が体を病み、危険な状態だと告げた。『高天原』の太陽である『天照』が弱まれば『中ツ国』の太陽も消えてしまい、生けとし生ける者すべてが滅び去ると言うのだ。それを救えるのは、勾玉を受け取った者のみ。つまり、結姫だけが『高天原』ひいては『中ツ国』を救えるのだ、と。現実と夢、2つの世界を行き来する、大人気の冒険ファンタジー。
女性が幽霊ではないことを知り、とりあえずホッとした結姫は突然眠気に教われ、思兼神の話を全て聞かずにベッドにもぐりこんでしまう。ところが、それこそが結姫を『高天原』に誘う行動だった。実は『高天原』と『中ツ国』は別にして同じ世界。眠ることによって見る夢こそが『高天原』世界での自分の行動であり、勾玉を持つと言うことは眠りと目覚めであやふやになってしまう記憶を、勾玉の力で鮮明にして保つということだったのだ。
眠りにより思兼神の説明を全て聞く事無く『高天原』へと落ちていく結姫。目覚めた時、彼女は砂漠の中にいた。彼女は広大な『高天原』の中で仲間となる4人の『天神(アマツカミ)』を見つけて『天岩戸』を目指し『天照』を助ける旅に出る事になる。
ところが、旅の果てで結姫が得た『天の岩戸伝説』の真実は、とてつもなく恐ろしくも残酷なものだった!
それを知った結姫は、その結末を止めるために最後の旅に出る。自らの胸に、悲壮なる決意を秘めて……