黒沼爽子は陰気で見た目が暗く、長い黒髪から、周りからは「貞子」と呼ばれて恐れられ、クラスに全く馴染めないでいた。しかし、自身とは対照的な、爽やかで、学年で男女問わず人気者で、爽子の噂を全く気にしない、クラスメイトの風早翔太とまともに喋ったことをきっかけに、友情、恋愛、進路などを通して爽子は新たな発見をし、1歩1歩成長していく。そして、爽子を中心に、風早たちの友情、恋愛、進路も動き出す。
キラキラした如何にも恋愛モノっぽい空気を醸し出してはいるが、ただ単に、男女の恋愛を小奇麗にピックアップさせているだけではない。人間としての成長していく様子を丁寧に見せてくれた。ヒロインの爽子は可愛らしく真面目な女性だが、不器用な子で人間関係が構築されておらず、行動の一つひとつがぎこちなくなってしまう。周りも彼女の持つ不思議な雰囲気から、霊感も持っているのではと疑い距離を取る。一人ぼっちで顔を下に向けたまま学校生活を送っている。絵に描いたような好青年の風早が、爽子に興味を持ち彼女を後押す。徐々に爽子は成長していきますが、受け身で周りからただ後押しされているだけでなく自分の口で想いを伝え、自分の意志で行動に起こし、自分の努力で周りに認められて行った。そこがこのアニメの一番の見所だと思う。
淡い背景も主人公二人の初々しい純愛や世界観に相応しいと思うし、たまに出てくるキラキラも少女漫画原作だし登場人物の心境を反映する意味では理解できる。ちょっとしつこかった気もするけど。恋愛は奥手な二人の話なので盛り上がりに欠けるかもしれない。しかし、爽子の家族愛やあやね、ちづとの友情、クラスに馴染んでいく過程もまた十分見所なので、是非見て欲しい。